ochang1977の日記

現在都内でデザイン関係の仕事をしています。昨年秋まで約5年間台湾で生活していた関係で、ブログの日記も台湾で経験したことなどがメインテーマになるかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。

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ゆとり教育のせい?

 

先日ちょっとしたきっかけで某有名予備校の関係者とお話をする機会があり、いろいろな面白い話を聞いた。ゆとり教育の弊害として最近の学生の学力低下が指摘されているが、例えば9-3÷(1/3)の答えを多くの学生が8と解答するらしい。基本的な四則演算ができないというのはたぶん今後大人になってからも問題が起こるので、ゆとり教育のせいだと言えなくもないが…多くの学生は÷記号があるにもかかわらず、見た目?の印象で3÷(1/3)を3×(1/3)としてこの部分を1と考え、9-1で8になると解答するそうだ。分数の割り算ができないのはやはり訓練が足りないというしかないが、我々の学生時代はルールのように分数の割り算は分子分母がひっくりかえるというように覚えさせられたから、この分数がひっくりかえるという部分を身近に感じられるように教えればもっと多くの人が理解しやすくなるように思う。では次のような問題はどうか?
A君が家から動物園まで行きを30km/h、帰りを50km/hの速度で運転した。行き帰り往復の平均速度はいくらか?という問題である。この問題を見た、あるいは聞いた多くの人が40km/hと答えるらしい。僕はもともと疑い深い性格なのでわざわざ問題に出すのだから40km/hなわけがない、という前提から入るので正解を得ることができたが、多くの人はどうだろうか?正解は37.5km/hである。家から動物園までの距離をL(このLは何でも良い。具体的な数字として例えば150kmとかでも良い)とすると、行きに要した時間はL/30、帰りはL/50、速度は距離÷時間なので、(L+L)/(L/30+L/50)という計算で先の37.5km/hが導き出される。このような問題を解けるか解けないかはあんまりゆとり教育と関係ないかもしれないが…
僕は基本的にゆとり教育には反対だ。なぜならその概念は上位の管理者の発想だから。ゆとり教育を受ける学生はゆとり教育しか知りえない。ゆとり教育の対義語が詰め込み教育だとすると、ゆとり教育を実践する意味があるのは同時に詰め込み教育も受けた学生のはずである。詰め込みとゆとりを両方知ってこそ、その各々の教育スタイルや方針が理解できるのではないだろうか?そもそも「ゆとり」という言葉が良くない。何かずっとぬるま湯に浸っているイメージだ。現代の多様化の時代においては、もちろん詰め込むだけの教育は良くない。発想を自由かつ豊かにさせる、そして物事を深く考える力を養うべきだ。そうすることによって物事の本質を見極めることができる。ゆとりだけで満足しない「創造解決」的な教育、つまり問題に直面した時に、過去を参照しながら新たな手法を考え問題解決に取り組むというような能力を養う訓練をする教育、が普及することを望んでやまない。